-T・T・A・R・P-
『あれ、纏めといて!』
『これ、連絡しといて!』
『それ、検品しといて!』
こんなふうに脈絡無く、目先の指示出しを得意とする上長いますね。。。
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最初は、右往左往するスタッフですが、単純作業ですからやがて慣れます。
慣れてくると、上長とスタッフともに、
『纏める』、『報告する』、『検品する』が【出来る】と認識していきます。
そしてスタッフは、勤続を重ねていくほどに自信を持ち始めます。
やがて部下を持ち、自身を「オールラウンドプレーヤー」と自負していきます。。。
やはり、同じように部下に指示を出し・・・
さて、ここまでどうでしょうか?
貴方のカンに引っかかる事柄はありましたか?
このケースは、よくある光景ですが、憂慮する事態になる懸念があります。
それぞれの作業をブツ切りに単純化してしまい、全体の目的が示されていない。
(メニューを聞かされず、ジャガイモを切っているようなもの・・・)
・全体の目的を理解していないのだから、最善がわからない。
→優先順位の判断、適正なリソース活用の検証、改善の検討ができない。
(適正なリソース=人員、時間、スペースおよび位置、道具)
つまり、料理に例えれば、『切る』ことは出来る。
野菜でも肉でも魚でも・・・もちろん、多様な切り方であったとしても。
ですが、何年経ってもカレーは作れない・・・
オールラウンドプレーヤーでもなんでもない。。。
わたしは、かの上長の姿勢は、管理者としていかがなものかと疑念を持ちます。
ブツ切りの指示出しからは、育成の姿勢を感じません。
奴隷、下僕は言い過ぎですが、アウトカーストに見ているようにも感じます。
もちろん、管理者としての知識、能力も評価できません。
この上長的な方は、ほとんどが、自分が作業する率先垂範タイプですね。
成長を望まない10人以下の零細企業でしたら、ギリギリ許されるかもしれません。
ですが、10人の壁を越えようとする企業なら不適格なリーダーに思えます。
この上長が輩出する部下は、早い話、何でも屋さん・・・
-T・T・A・R・P-
中途半端で低レベルなオールラウンドプレーヤー でしかありません。
目的が、カレーを作ることだとすれば、
最適のタイミングで、最適の方法で、最適な量を切る!ことを追求できます。
そして、その意識はカレー作り全体に波及します。
目的を共有すると役割を自然に分担する空気が組織に生まれます。
互いに知恵を出し合い、協力するのが日本の組織の強みです。
日替わりの業務。
目先の納期に対応するためだけに何のプランもなく出される指示。
→結果、
一度移動した品を、次の商品の都合でまた移動・・・
一度検証したデータを、指数が変わったんでやり直し・・・
一度仕上げた設計を打ち合わせ不足でやり直し・・・
プラン段階での咀嚼が致命的に足りていません。どの業界でもこんな人いますね。
経験則から予測、想定をしている上長なら、二度手間は踏みません。
もちろん、急な変更があったとしても、どうということはありません。
残念な上長の能力不足は、スタッフにしわ寄せがきます。
ブツ切りの指示出し対応、日替わりの業務は、意外に疲れます。
仕事に達成感どころか、手ごたえさえ感じられませんから。。。
やりがいも無く、疲れるなら、
→ストレスの蓄積→意欲減退→退職につながることもありえます。
スタッフが、-T・T・A・R・P-に染まっていけば、
組織は、常連ばかりで居心地の悪い居酒屋のように堕落します。
効率ではなく、コレがうちのやり方!だからっ!的に・・・
はっきり、言っておきます。
部下が出来る仕事を、率先垂範する上司はロクなもんじゃありません。
上司の仕事は、【想定する】 【判断する】 【責任を取る】です。
作業したいなら、役職と報酬を返上するべきですね。
自身で作業すれば、確実で早いかもしれません。
ですが、それではスタッフはもちろん、
組織も、そして上長自身も伸びることはありません。
組織の一員としてスタッフの皆さんは、上長を選択できません。
従う立場に甘んじなければならないこともありますね。
ですが、上司に反抗しても仕方ありません。
また、上司をフォローすることもお勧めしません。
貴方がフォローしても状況は”絶対に”好転しません。
では、どうするか・・・
まず、忠実に従うことです。無駄な仕事だと思っても・・・
そして、貴方自身が半歩先、一歩先を予測してみましょう。
貴方自身が、管理者ならどうする?・・・
これをシミュレーションし検証して蓄積してください。
組織も上長も伸びないなら、いずれ、崩壊します。
ですが、蓄積した事柄は、貴方のしっかりしたノウハウになります。
冷静に客観的に、しっかり受け止めて見てください。
必ず、陽の目を浴びる機会が巡って来ますから。。。